矯正治療の考え方(こだわり)|尾道市・歯科・矯正歯科・小児歯科・歯医者

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矯正治療の考え方(こだわり)
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虫歯の予防から歯列不正を予防する時代へ

「これからは、虫歯予防をする時代です」といわれて久しいのではないでしょうか。
当院も、子供の虫歯予防に取り組んで、20年以上が経過しました。また、尾道市内の小学校歯科医にも現在に至るまで数年携わってきている中で、感じることは、「今の園児・児童は、虫歯が少ない」「虫歯がゼロの子供が多くなったなあ」ということです。
かつては、小学校入学前に行われる就学時検診において、虫歯がある子供がたくさんいました。
「お母さん、小学校に入学する前に虫歯の治療をして入学しましょうね」とよくお話ししたものです。

さて、では今の子供達はそれで健康になったのでしょうか。
確かに、健康な子供が多くなったのは事実です。
しかし、ちょっとまってください。

実は、今子供たちの口の中に多く見られる疾患に、
 1. 歯肉炎
 2. 歯列不正
があります。これらは、双方に関与していると思われます。
歯並びがガタガタだから、歯磨きがしにくくて、歯ぐきが腫れる。
こういった状況において、私は歯列不正(歯並びが悪い状態)の改善をお話しする機会が増えてきました。
歯列不正を治療する=矯正治療
「えっ矯正治療。針金をつけてする治療ですよね」

針金をつけて行う矯正治療は、基本、大人(成長期が終わった身体)の方が行う方法で、その目的は、歯の並びを整えることです。

お母さん、待ってください。確かに、針金をつけて歯を動かすことも矯正治療ですが、その前に、「なぜ、うちの子は、歯並びが悪くなったの?」と思われませんか。

歯並びが悪くなった原因を改善することが、実はとても重要であると私は考えています。
歯並びが悪い状態というのは、今生えている、あるいはこれから生えてくる歯の大きさと顎骨の大きさのバランスが悪いことに起因しています。
個々の歯には個人差があり、その形であったり大きさであったりと違いはさまざまで、そこには若干の遺伝的要素があります。

では、顎骨の方はどうでしょうか。
   「顔形が、成長するにしたがって私に似てきたわ」
   「最近、うちの息子、主人にそっくりになってきたのよ」
これらは、顔を形成する骨格自体は、遺伝的影響を受けやすいことを示しています。
遺伝的にある程度、決まっている顔形ですが、それだけで全てが終わるわけではなく、実は環境に影響されて顎骨の成長が変わることもわかっています。

その環境とは。

「悪い癖」です。

頬杖をつく、下唇をいつも噛んでいる、いつも口がぽかーっと開いている

これらは、悪い癖の一部ですが、このような悪い癖こそが、顎骨の健やかな成長を邪魔して小さな顎にしかならない。
その結果、これから生えてくる永久歯の大きさとのバランスが悪くて、歯並びが悪くなった。
これが、子供の歯並びが悪くなっている真相です。

ズバリ、申し上げます。

「歯並びをきれいにするだけの矯正治療なら、大人になってからでも可能です。」
でも今は、もうそういう時代ではありません。

皆さんが、普段利用されている健康保険対応の保険診療の中に、
「口腔機能発達不全」という病気があります。
これは、成長期にある子供の口腔機能(噛む、飲み込む、話す、呼吸がうまくできている)が十分、発達しているか診るというものです。

皆さん、睡眠時無呼吸という病気の名前を聞かれたことが一度は、おありだと思います。
寝ている時に、いびきがひどいかと思ったら、いきなり呼吸が止まっていびきをしなくなって静かになった、数秒数分後に、またガアガアいびきをかきはじめる。
日中突然、眠気におそわれて仕事ができない、集中力が継続しないなど、さまざまな日常生活に支障をきたしている社会的問題をはらんでいます。
この睡眠時無呼吸を含んだ我が国の睡眠及び覚醒障害の割合は多く、その原因は、我々アジア人の小さな顎などの顎変形が多いと言われています。
ではいつ、顎が小さくなったのでしょうか。
それは、成長期における悪い癖が、下顎骨を小さくしてしまったのです。

当院では、歯並びが悪いことを気にされているお子さん、保護者の方へは、「歯並びだけを改善する矯正治療ではなく、そもそもの原因である悪い癖を改善して、子供が本来持ち合わせている成長しようとする力を引き出して、顎の成長を促すことをお勧めしています」スタッフが、悪い癖を取り除く筋機能訓練(MFT)をご指導いたします。

これからは、
『歯列不正を予防する時代』です。

私は、子供たちに健やかに成長して欲しい、健康こそが大きな財産であると。
健康を元手に、これからの社会生活を自らの力で強く、生き抜いてほしいと切に願っております。

当院は小さな開業医でありますが、子供への思いは私をはじめスタッフ一同、同じ思いで取り組んでいます。
微力ながら、歯列不正に悩んでおられる皆様に寄り添うことができれば幸いです。